たまには愚か者を演じろ

「人は時として愚か者を演じなければならない。しかし本当に愚か者になるな」

たまにこういう時がある。しかしカウンセラーとして人と会っていく過程で「ウソから誠が生まれてしまう」現象が確実にあるのだ。
演じている間に本当になりきってしまう。

本当に愚か者を想像し、それが豊かすぎるほど想像できすぎてしまい、シュチュエーションもそういう事が立て続けに起こると本当に愚か者になってしまう場合があるので注意が必要だ。

過去10年間のうちでドイツで本当に行われた心理テストで、ランダムに何人かの一般人を公募し、その中で半分半分に囚人役と看守役を演じるテストが当初2週間行われるに至った。最初は適正検査があり、それを通った10数人がこのテストに参加できて報酬も高いのだ。

最初の内はテストに合格した者達は仲良く普通に友達として話していた。
そしてテストに入った。

全てのシュチュエーション、いわゆる本物の監獄施設、手錠、警棒、制服、囚人服などを与えて成りきれるように実験を行ったが2週間持たなかったのだ。
結果は悲惨なものとなって中止された、というより強制的に終了に至った。

看守の役の方は悪徳看守になりきってしまい暴力は振るうは囚人役に汚い言葉をあびせるは、囚人役の方も囚人の心になりきってしまい相当な事件となったのだ。

こういう事は起こりうるのだ。だからこそ
「愚か者を演じる時は演じ続けてはいけない。時と場合は考えて演じろ」

人を笑わせたいなら笑われるのではなく笑わせる愚か者にならなければならない。

と、いう事なのだ。