これは不器用なのか器用貧乏なのか・・

 角だらけのボール


誰にも受け入れられるように
どこにも転がりこめるように
いつも潤滑に対応できるように
僕は丸いボールになった
みんなにキャッチして欲しいから

ある日僕は四角を見た
四角は人の土台になったり
安定性があったり
だから僕は見習おうとした
ただ見習おうとした

またある日僕は三角を見た
不思議だった
神秘に満ちていた
僕もなりたかった
そんな存在になりたかった

時が過ぎていくうちに
僕は誰もが受け入れにくい存在になっていた
転がりこんでも拒否されるばかりだった
物事が円滑に進まない
誰も僕をキャッチできなかった

あくる日僕は鏡を見た
僕は驚いた
僕は角のついたボールになっていた
鋭く鋭利な角をもつボールになっていた
角だらけのボールになっていた