存在の証明

俺は若い頃、とにかく自分の存在を証明したかった。
貧乏を馬鹿にされると人を殴った。それがケンカに発展して負けたら勝つまでやろうとした。

貧乏という力が俺に色々させた。そして、やるとやりきろうとする癖を付けてしまった。
と、同時にやれなかった事を貧乏を理由にした。

だから自分のできる事の中で存在を証明しようと一生懸命頑張った。

何でも一番になりたかった。

病んだ時、 自分よりはるかに上の存在に遭遇した時、
俺は俺の存在を証明しようとした事を消したかった。

吐いた言葉、世に残した音楽、戦った傷、己を欺いた事、全部差し歯な事、、全て。
でも消せなかった。

そして今、
別に自分の存在は最初から証明されていた事を知った。

存在を証明しようとした事の無い人は証明しようと頑張る事をおすすめする。
逆に存在を証明しようとしすぎた人には「もういいじゃないか」と言いたい。